ルリニコクの楽曲を新しい順にご紹介させていただきます!
キリコの寝室
諦めというエロティシズム。
孤独と退廃のダンスナンバー。
愛こめてモルタル
目を凝らせばヒーローはすぐそこに。あるいは心に。
生きる元気と勇気の出るアニソン風のポップナンバー。
事件。災害。円安。いつまでも曇り空。地熱のようにエネルギーを生む曲をつくりたいと思った。
人それぞれが胸の奥から、生きられるような。聴いた人が熱く、元気になれるような。そんな作品をつくりたい。というか、私が聴きたい。しかし、テンプレートの愛と友情と努力をまるで強要のような露骨さで繰り返す応援歌は趣味ではない。目薬をさされるアレックスの気分になる。
そんな最中、モルタルという建築材に関する歌を公募する企画があることを知った。モルタル。モルタル。名前を聞いたことはあるが、あまり馴染みはない。あえて好奇心から、この公募用の楽曲を制作することにした。
調べると、どうやらモルタルというのは炎や経年劣化に強い壁の素材らしい。セメントに砂を混ぜたものとのこと。一般的に広く使われているが、詳しくは知らなかった。私たちに大切なのはきっと、モルタルだ。確信した。
公募企画で扱うべきテーマは「モルタル外壁の家の魅力」だったが、私はほぼ無視してモルタルの要素にのみ注目することにした。炎魔を退け、時に逆らう。そんな存在に現実的なヒーロー性を見出したからだ。ツーバスの連打に力強いメロディを重ね、恒常的に迫りくる脅威に立ち向かい続ける彼女または彼を表現した。
誰かの世界を守るために、壁に練りこまれたモルタル。それこそ、日常に隠れたヒーローであり、きっと私やあなたをまもる「誰か」であり、きっと私やあなたそのものなのだ。気づかれず。評価もされず。自然の脅威や瀑布のごとき流る時間と戦いながら、まるで何かの許しを待つかのように。それは流石に、愛以外のなんだというのであろうか。目を凝らせばすぐそこに。あるいは心に。現実のヒーローとはそういうものだ。少し自分の父親のことを思った。
そんなわけで、人間に関する新しい曲が出来ました。ぜひご一聴いただけたら嬉しいです。
タイトルは『愛こめてモルタル』。
2024年6月1日 みみみ
もりのくまさん
最高潮の皮肉。失われた少女性が心に問いかける。
そこらにあふれる普遍的な不安を唄うロックナンバー。
我々ルリニコクのA面4曲目として、今回は少女性を描いてみることにした。皮肉まみれの日常を、悲しそうに見つめるかつての無垢な自分。一体どこでずれてしまったのか。 だからといって少女が正義というわけでもないと私は思う。彼女が象徴する自由や無垢とは、そもそもがまったくもって非現実的なものに見えるからだ。 よって今回も否定はなにもない。主人公の女性は色々と大変な日々を送っているようだが、それは同時に充実でもある。 作中のように夕日を見ながら悲しくなる日もあれど、きっと彼女は自分の生き方を変えることはないだろう。無意味な仕事や先の見えない不倫にハマることもまた、彼女にとっては全力で生きることなのである。 苦しみにみえる社会や日常は、いつだって不気味で客観的な優しい”くまさん”なのかも知れない。 つまり、そういう労働および恋愛の讃歌なのである。
「お嬢さん、お待ちなさい。 ちょっと、おとしもの。」
そんなわけでぜひご一聴いただけたら幸いです。
タイトルは『もりのくまさん』。
2024年1月9日 みみみ
コンセプション・アリア
悲しみは決意へ。終わりは新たな始まりへ。
命を唄うエモーショナルなバラード。
近年、自分の子供の誕生を3度見た。不思議と、とても感動した。涙も出た。生命システムそのものがもつ、理解を超えた自然的美しさ。この感動をいつか必ず、持っているスキルで描きたいと思った。 しかし何故かうまくトリガーは動かない。数年かけて考えた結果、あの感動は誕生そのものだけで成立しているものではないという結論に至った。改めて対となるもの、つまり死を考えることであの感覚的な美しさは腑に落ちた。すべては螺旋。そこで血は繋がり、想いは繋がり、夢は繋がる。それが生命であり、星であり、砂粒だったのかもしれない。 悲しみは決意へ。終わりは新たな始まりへ。すべては回って鼓動となる。そんなわけで命を唄うエモーショナルなバラードを作りました。ぜひご視聴いただけたら幸いです。
タイトルは 『コンセプション・アリア』。
2023年10月28日 みみみ
高楼心中キリギリス
刹那を生きる少女の人生。
感情高まり、一気に駆け抜ける退廃的なダンスナンバー。
脳の忘却機能が馬鹿になったのか…何故か少し前の、とある事件がじわりじわりと私の頭の中で影響を広げていた。 家庭にも学校にも居場所がなくなり、誰かに自分の存在を肯定してほしい少女たちは、おのずと同じ境遇の仲間を求めて影どころへと集まっていく。そこは未来もないが否定もない、いわばこの世の踊り場だ。きっとそこで、永遠に閉じ込められていたいと願うことだろう。 生きていることを自分の頭で認めるためには、やっぱり大人の言葉が必要だ。しかし実際に浴びるのは少女たちの若い身体を求める豚の囁きや無責任な憐れみの言葉。必然的に外世界との心の距離は埋まらないほど開いていく。 きっと少女たちは夜の街に染まるため努力し、自傷することで、ずっと欲しかった言葉を感覚で埋めようとする。もしかしたら、これらのすべては、自分たちを無視してきた大人たちへのささやかな反撃なのかもしれない。 今回、そんな刹那な生を自分なりに描いてみたいと強く思った。あくまで内容は想像の上のフィクションに過ぎないものですが、ご一聴いただけたら幸いです。
タイトルは『高楼心中キリギリス』。
2023年3月30日 みみみ
青と砂漠の子守唄
自分の人生に耳を塞ぐあなたへ。クラシック、ジャズ、ポップス、ロックが
ジャンルを越えて繋がるドラマティックな一曲。
漠然とした不安や疑問を抱きつつも、
目の前の日常に立ち向かい続け、
自分の心を偽り傷つけられながらも
必死に生きている。
そんな「普通」になれなかったすべての人へ、
この楽曲を捧げます。
タイトルは『青と砂漠の子守唄』
2022.12.31 みみみ
ドトールの窓から
仕事待ちの喫茶店にて、虚しさを味わう女性。
雨を感じるロックバラード。