ドトールの窓から

雨がはねる午後3時の窓際。
黒く香る時間だけを味わう。

見下ろす。傘が傘を避ける。
きらめく。地面に映った現実。

ここでわたし、
なにを待っているんだろう。
濡れた街に問いかける。
「役割」に背負われて。

命を尊ぶ処刑人。
踊りを知らぬバレリーナ。

清め水に溶けていく。
羨み、瞑る。

出番待ちの午後3時の窓際。
白く濁る心だけを抱えて。

聞こえる。傘が包む嘆き。
波打つ。水が溜まった感情。

ここでわたし、
なにを待っているんだろう。
痩せた胸に問いかける。
静かなスーツ。

濡れた街に問いかける。
いつかの居場所はどこ?

命を尊ぶ処刑人。
心を偽るわたし。

清め水に溶かして。
ガラスから連れ出して。

光を纏わぬシャンデリア
など無意味、と嘲るあなた。
傘をさして歩いて。
わたしは見てる。

雨がはねる。

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